まちのみんわ やおびくに
町の民話 八百比丘尼
お里という17歳の美しい少女が、経ヶ峰の中腹にある草生の里(安濃町草生)に住んでいたそうだ。
ある日お里は、里の無尽講の御馳走に出された人魚の肉を食べてしまった。それ以来、彼女は歳をとらなくなったという。
いつまでも若く美しい少女を、里人はうらやましがった。
が、ときが流れるにつれ、いぶかしむ者もでてきて、化け物ではないかといううわさも広がった。
村にいづらくなったお里は、ひとりさびしく村を去った。
その後、お里は若狭などの諸国を放浪し、何百年かのちに故郷の草生に戻り、その地で亡くなったという。