もくぞうあみだにょらいざぞう
木造阿弥陀如来坐像
県指定有形文化財 彫刻
指定 平成5年(1993)3月8日
像 高 145.6?
時 代 平安時代後期
所有者 太田区
本像は、この地にあった元仲楽寺(ちゅうらくじ)の本尊で、同寺が廃寺となり、その跡が公民館となったため、安濃町慈相寺近くにある、その公民館の一室 に安置されています。像容は、衲衣(のうえ)を偏袒右肩(へんげんうだん)に着し、左脚を上にして結跏趺坐(けっかふざ)する姿です。目は彫眼(ちょうが ん)で、肉髪珠(にくはつしゅ)・白毫相(びゃくごうそう)を嵌入(かんにゅう)しています。 やや大振りの螺髪(らほつ)を彫出し、髪際で33個を数えます。印相は、右手は手のひら前を向けて挙げ、左手は膝上に手のひらを上へ向けてさし出し、とも に第一指、第二指とを捻じる上品下生印(じょうぼんげしょういん)とも言われる来迎印(らいごういん)です。
構造は、内刳り貫きの寄木造(よせ ぎづくり)です。作風は、定朝(じょうちょう)様式の影響を受けますが、目や身体の表現が定朝様式と異なるもので、地方の仏師によるものと考えられます。 江戸時代に底の補修および漆箔(しっぱく)が施されていますが、作風、半丈六仏(はんじょうろくぶつ)という点から安濃町を代表する仏像の一つです。